判断基準

経営者が最初に確認すべきランサムウェア対策10項目

予防基礎知識経営者の方へ製品選定・チェックリスト
経営者が最初に確認すべきランサムウェア対策10項目

ランサムウェア対策で最初に必要なのは、製品選定ではありません。経営者が「何が止まると会社が困るのか」「どこまでなら停止に耐えられるのか」「復旧に必要な権限と予算を誰が持つのか」を決めることです。
ランサムウェアはPCやサーバーだけの問題ではなく、受発注、製造、請求、顧客対応、信用に影響します。だからこそ、経営者が確認すべき項目を10個に絞って整理します

重要業務を3つに絞る

最初に決めるべきことは、守るべき業務の優先順位です。すべてのシステムを同じ重要度で扱うと、復旧時に判断が遅れます。受注、出荷、製造、会計、顧客対応など、停止すると売上・納期・信用に直結する業務を3つ程度に絞ってください。

復旧優先順位を決める

ランサムウェア被害では、全システムを同時に戻すことは現実的ではありません。まず何を復旧するか、次に何を復旧するかを事前に決めておく必要があります。経営者が優先順位を決めていない場合、現場は声の大きい部署から対応せざるを得なくなります。

RTO/RPOを決める

RTOは「何時間以内に復旧したいか」、RPOは「何時間分のデータ損失まで許容できるか」です。これを決めないままバックアップを取っても、事業復旧に必要な水準か判断できません。重要業務ごとに、停止許容時間とデータ損失許容範囲を確認してください。

バックアップの復元テストを確認する

バックアップは「取っている」だけでは不十分です。実際に戻せるか、戻す手順を誰が知っているか、復元にどれくらい時間がかかるかを確認します。特に、バックアップが常時接続されている場合、ランサムウェアに同時に暗号化される可能性があります。

VPN・RDP・管理者アカウントを確認する

外部接続と特権IDは、攻撃者に狙われやすい入口です。VPN機器、リモートデスクトップ、保守用アカウント、管理者権限の利用状況を確認してください。不要な外部公開や退職者アカウントが残っている場合は、早急に停止します。

多要素認証の適用範囲を確認する

IDとパスワードだけでは、認証情報が漏れたときに侵入を止められません。特に、VPN、メール、クラウド、管理者アカウントには多要素認証を優先的に適用します。全社一斉が難しい場合でも、重要アカウントから始めることが重要です。

感染時の意思決定者を決める

感染端末の隔離、サーバー停止、外部専門家への依頼、顧客説明、公表、身代金への対応などは、短時間で判断が必要です。誰が最終判断を行うのか、代理者は誰か、夜間休日はどう連絡するのかを事前に決めます。

法務・広報・顧客対応を含める

ランサムウェア対応は、技術復旧だけでは終わりません。情報漏えいのおそれ、取引先への説明、問い合わせ対応、報道対応、行政機関への報告などが発生する可能性があります。初動体制には、情シスだけでなく総務、法務、広報、経営層を含めてください。

委託先・保守会社の連絡先を整備する

被害時には、システム保守会社、セキュリティベンダー、クラウド事業者、サイバー保険会社、顧問弁護士などとの連携が必要になります。平日日中だけでなく、夜間休日の連絡手段を確認しておくことが重要です。

年1回の机上演習を行う

マニュアルがあっても、訓練していなければ本番で迷います。年1回は、ランサムウェア感染を想定した机上演習を行い、連絡、判断、停止、復旧、説明の流れを確認してください。演習で見つかった不備を改善することが、実際の被害を小さくします。